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七霊で夢小説を考えてみた。
設定と粗筋だけのつもりだったんだけど、思ったより長くなってしまったので折り畳み。
設定と粗筋だけのつもりだったんだけど、思ったより長くなってしまったので折り畳み。
ウチの既存のヒロインは使えない(つーか、これには使いにくい)ので新規ヒロインを用意する。
設定としては『天界の長の娘』。
既に公式で『天界の長の娘』である『イヴ』という名前の女の子が出てきていますが、当然この子とは別人です。
双子(一卵性双生児)の姉。
更に言うならその『姉』は『否定された存在』もしくは『存在しない存在』。
生まれた瞬間に隠され、世間的には全く知られていません。
長はイヴと同時に生まれた『もう一人の娘』を結界に閉ざされた箱庭に、彼女の世話をする一家(父・母・息子(←『娘』と同い年))と共に押し込めます。いわゆる幽閉。
結界に閉ざされた箱庭とは言え、長が用意するものですから、広いです。屋敷も4人で暮らすには少し大きいくらいで、調度品も質の高い物が揃えられています。周りは森に囲まれ、清らかな小川が流れていたりします。
この箱庭には誰も訪れません。当然です。そこに箱庭があることを誰も知りませんし、そもそも『娘』の事を知っている存在が長と一家の4人しかいないからです。長も押し込めた直後、2・3度足を運んだだけで以降は会いに来た事はありません。
故に『娘』は自分が長の娘である事は事実として知っていますが、実感した事は余りありません。
いえ、ありませんでした。
けれど、自分が双子の妹であるイヴの心――魂に自分のそれを重ねる事ができると分かってからは、違います。『娘』は重ねたイヴの目線から世界を視、周囲にいる人々を視、そして父親である長を視ます。
イヴに向けられる長の――父親の優しい笑顔、声。それを視る度に、どうして自分はここに、誰にも知られる事なく幽閉されているのだろう?と何度となく疑問に思います。どうして自分は長に嫌われているのだろう?と。
自分もイヴと同じ様に愛して欲しい、と。
けれど、それを本人に問う術はなく、ただ静かに箱庭での時は流れていきます。
(イヴは姉である『娘』を知らないため、繋げることも、繋がっている『娘』を感じ取る事もできません。あくまでも『娘』からの一方通行)
そうして何年か経った頃、イヴを通して視るだけの『外の世界』を自身の目で見てみたいと強く思うようになった『娘』は、ある日、結界を越えて外の世界へと出てしまいます。
結界自体は強固なものではありましたが、だからと言って出る方法がないわけではなかったのです。結界を歪ませる事ができる品を、共に暮らす一家が所持していました。彼等は『娘』とは違い、食料や衣服などの調達の為、外界との接触が許されていました。その品――宝玉を『娘』はこっそりと借りたのです。
初めて自分自身の目で見る『外の世界』。
箱庭が封じられていた場所が森の中だった為、当然『娘』が目にするものも森だったわけですが、『外の世界』だと思うだけで『娘』にとっては何もかもが新鮮なものとして目に映ります。
すっかり夢中になってしまった『娘』が迷い込んでしまった侵入禁止区域。
そこで『娘』は一人の存在に出逢います。
父親である天界の長が創り出した最高傑作。あらゆる知識を有する死神――フェアローレンに。
フェアローレンは天界の長の娘に『イヴ』と言う名の少女がいる事は知っていましたが、当然の事ながら『もう一人の娘』の存在は知りませんでした。そして、この時点でフェアローレンはまだイヴに直接会った事はなかったのです。
故に彼は『娘』にこう問いかけます。
「イヴ。貴方はここで何をしているのだ」と。
瞬間、『娘』は迷います。真実を告げるべきか否か。
けれど、結局『娘』は『イヴ』として振舞う事にしました。
いないものとされている自身の存在が他者に知られてしまう事によって、何かが起こる事が怖かったのです。
一卵性双生児であるイヴと『娘』は容姿から声に至るまでそっくり同じです。魂の色や形さえも同じでした。違うものと言えば、性格と仕草や癖などだけです。
その違いとて、いつもイヴに魂を繋げていた『娘』にとって同じにする事は簡単な事でした。
その後、『娘』は『イヴ』として、何度もフェアローレンと時間を過ごします。
箱庭に一緒に住む一家以外の人間を知らない『娘』にとって、フェアローレンとの時間はとても楽しく幸せなものでしたが、同時にとても切ないものでした。
実際に顔を合わせて言葉を交わしてはいても、『娘』はフェアローレンにとって『イヴ』でしかなく、『娘』自身ではありえなかったからです。
フェアローレンとの時間は、彼が本物のイヴと出会った事で終わりを告げます。
その後は色々あって(書いてたらきりないし…/苦笑)イヴが死に、フェアローレンが地上へと降りていくわけです。
因みに、『娘』もイヴが死んでからすぐに死んでいます。
これは父親である天界の長の手で殺されたからです。
そして『娘』の魂は地上へとおとされます。
『娘』の魂は天界へと戻る事は許されず、魂が消耗し消滅するまで永遠に地上でヒトとしての生を繰り返します。
一度の生で与えられた時間は20年。20歳の誕生日を迎えると同時に『娘』は命を落とします。理由は事故・病気・殺人と様々ですが、決してそれ以上生きる事はできません。
―――『娘』に与えられたのは、『娘』が望んだイヴに対するような愛情ではなく、憎悪と罰だったのです。
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