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前回の『例え話』と同じ感じで。
今回は夢主と研究者の会話。ただし、研究者の口調がイマイチよく解らないので適当です。
覚えてないよ、流石に……。
今回は夢主と研究者の会話。ただし、研究者の口調がイマイチよく解らないので適当です。
覚えてないよ、流石に……。
「祝福を」
「祝福?」
「そうよ。“姫”の“祝福”。滅多にヒトにはあげないんだから。レアものよ、レアもの」
「レアもの……」
「何よ。その胡乱気な視線は。『うわ、効果なさそー』的なそれ、止めてよね」
「誰もそこまでは言っておらぬ」
「いや、言ってるから。視線が言ってるから」
「――まぁ、それは良いとして。人の創世物に勝手に余計な事をするのは感心しない」
「あっ、まともな事言ってる」
「……そなた、我を一体何だと思っているのだ?」
「寝汚いただの暇人」
「……」
「図星指されたからって睨まないでよ。――まぁ、確かに他人のものに勝手に手を加えたのは悪かったと思うわ。それに関しては一応謝る」
「……誠意が感じられない」
「だって、あまり入ってないもの」
「しれっとしたカオで本音を言うな」
「うん、ごめん」
「ハァ……」
「――魂が」
「?」
「定められた二つの魂が余りにも奇麗だったから。気に入ってしまったの。繰り返される生が少しでも彼等に優しければいいと、思ってしまったから」
「それは箱庭に住む者達次第だ。だが…恐らく………」
「誰が造ってもヒトはヒトだから。多分難しいだろうと思うわ。きっとあの子達は傷付く。繰り返す度に」
「……ああ」
「記憶を留めないようにしたのはその為でしょう?」
「輪廻の中にある者に記憶は不必要であろう」
「そうね。終わったはずの過去を覚えているのは、とても苦しい事だわ」
「それは一体誰の事を言っている?」
「普通、スルーするわよね?」
「そうか」
「そうよ」
「それで、そなたがあれらに施した“祝福”とはどんなものなのだ?」
「んー。簡単に言えば、皆が幸せになれる魔法、かしら」
「皆が幸せになれる魔法?」
「ええ。何を犠牲にする事もなく、大切なものを何一つ失う事もなく。皆が共に在れる。そんな魔法」
「夢物語だな。この箱庭のシステムにおいては」
「でも、あの子達の幸せは一応用意してあるくせに」
「“全てが”というわけではない」
「ま、ね。何を為すにしても、全ては何かの犠牲の上に成り立つ。真理だわ。どこまでも正確な、ね」
「何か文句でもあるのか?」
「いや? 別にないわよ。私も同意見だし。でもね。一つくらい奇跡があっても良いと思わない?」
「“奇跡”か。ならばそれは人間達の行いによるものであろう?」
「どれだけ“奇跡”よ、ソレ。万分の一の確率でも足りないくらいの超奇跡になっちゃうわよ」
「だから“奇跡”なのだろうが」
「悪いけど、私、そこまで人間を甘く見てないし、信じてもいないから。貴方が求める一点に対しては激しく」
「薄々、我でも疑問に思っている事を力強く断言するな。悲しくなってくる」
「見てみたい気持ちは解らなくもないけどね」
「……今までにも色々造ってはみたが、中々どうして、難しいものだな」
「今度こそ成功する事を祈ってるわ」
「先程“信じていない”と言った口で言うか」
「“信じたい”んだって事にしといて」
「まぁ、良い。それよりも話を元に戻すぞ」
「私があの子達に贈った“祝福”について」
「ああ」
「最終的にはさっき話した通りだけど、そこに至るまでには幾つか条件があるの」
「条件?」
「流石に“はい、どうぞ”と何もなくあげるわけにはいかないから。でも人間達には全く持って期待できないから主要な四人に絞っておいたわ」
「四人…というと?」
「“玄冬”と“救世主”は勿論、彼等の守護となる黒と白の鳥。あわせて四人」
「あれらもカウントされるのか」
「当然でしょう。一番あの二つの魂に関わる存在なんだから」
「ふむ。して、条件とは?」
「一人につき、一つづつ。プラス、二つの魂には、共通で一つ。全部で五つ」
「内容は?」
「秘密です」
「秘密……」
「不服そうなカオをしない。条件の内容は私だけが知っていれば良い事なの。別に貴方の口を信じていないわけじゃないけど、念には念を入れておかないと」
「あれらの誰かに話してしまえば簡単に叶うのではないのか?」
「無理ね。私の“祝福”はその辺結構デリケート且つ厳しいから。微かにでも“偽り”を感じたらその時点でそれ自体が消えてしまいかねないわ」
「――手厳しいのは“祝福”などではなく、そなた自身ではないか」
「かもね」
「気に入ったと言った割には……」
「気に入ったのは本当よ。そうでなくては“力”を使ったりしないわ。でもただ与えるだけではダメなの」
「“姫”だからか」
「そうよ。“姫”であるが故に、ね」
「面倒な事だな、そなたも」
「ふふふ。でも…願わくば、早くその刻が来る事を。誰よりも祈っているわ」
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